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~RECORD 2015~

春山強化合宿

期間:平成28年(2016)2月5日(金)~2月11日(木)
場所:八ヶ岳 稲子湯~夏沢峠~行者小屋定着~美濃戸口
参加メンバー:小野寺(CL)岩附(4)井上(2)関根(2)中村(2)
       小島(1)橋本(1)  

2月5日 晴           
2月5日 稲子湯先のゲート周囲の木々は全て雨氷となっている平坦な林道をひたすら進むしらびそ小屋2月6日 本沢温泉のキャンプ場を出発する夏沢峠 視界が利かないため、ここで幕営する2月7日 硫黄岳にて行者小屋でBC設営、その後近くの雪面で雪崩埋没者捜索訓練2月8日 中山尾根1ピッチ目中山尾根2ピッチ目中山尾根4ピッチ目中山尾根上部岩壁2月9日 悪天のためジョウゴ沢でアイスクライミング2月10日 小同心クラック取り付き小同心クラック3ピッチ目の凹角2月11日 下山 雪は少ない美濃戸口にて
稲子湯ゲート(11:40)~しらびそ小屋(13:30) ~本沢温泉キャンプ場(14:45)
 松原湖駅からタクシーで稲子湯先のゲートまで向かい、ゲートから樹林帯の夏道に沿った道を行く。天気は良く、固く締まったトレースもあり、ツボ足でも歩きやすい。平坦地を屏風橋まで行き、沢を左手に見ながら登って行く。急登が終わり、傾斜が緩やかになってくると、しらびそ小屋に到着する。ミドリ池は氷が張っていた。

 中山峠の分岐を本沢温泉方面へと進む。ここからまた平坦地が続き、根石岳からの尾根をトラバース気味に越え、沢沿いに緩やかな道を進むと本沢温泉キャンプ場に到着した。本沢温泉のキャンプ場では我々のテント2張りのほかに3張りほど張れるスペースがあった。キャンプ場付近の小川で水を汲むことができたため、融雪の必要はなかった。
文責:小島
2月6日 雪 -8℃
本沢温泉キャンプ場(6:30)~夏沢峠(7:50)
 本沢温泉キャンプ場から野天風呂の分岐を通過する。昨日と同様にしっかりとしたトレースがある。雪が降っているが、積もるほどではない。雪原を抜け、樹林帯の中の九十九折りの斜面を登って行き、斜面に沿って進んでいく。夏沢峠に到着した時点で風が強まってきた。1時間天気待ちをするが、硫黄岳がホワイトアウトで見えないため、本日は停滞とする。嗜好品のお汁粉を作り、明日への鋭気を養った。ここでは水を汲むことができないので融雪を行なった。
文責:小島
2月7日 快晴 -18℃
夏沢峠(7:05)~硫黄岳(8:10)~赤岳鉱泉(9:05) ~行者小屋(BC)(10:00)~雪上訓練(11:00)~BC(12:10)
 朝の天気は風がなく穏やかだった。夏沢峠から硫黄岳への樹林帯を登っていく。森林限界を越えた硫黄岳の稜線では風が強かったが、硫黄岳を越えたところから風は止み、晴れ間が見えた。
 硫黄岳から赤岩の頭まで緩やかに下り、そこから一気に九十九折りの道を下ると赤岳鉱泉に到着する。休日のため多数の一般登山者とすれ違った。この頃には天気は回復し、暑いくらいになっていた。そこから中山乗越を越え、行者小屋に到着する。行者小屋は大勢の人で賑わっていた。BC設営後、BC下の斜面で埋没訓練と埋没者捜索訓練を行い、雪崩遭遇時の対応を再確認した。
文責:小島
2月8日 晴 -20℃
*中山尾根パーティ 井上(2)=小島(1)=小野寺(4)
BC(6:00)~中山尾根取り付き(6:40)~登攀開始(7:20) ~登攀終了(14:50)~BC(15:30) ~C2(12:50)
 BCから中山乗越まで登り、そこから中山尾根を下部岩壁の取り付きまで向かう。樹林帯の中を縫うようにトレースがありラッセルの必要はない。傾斜は次第に急になっていき、樹林帯を抜けて平らになった所でアイゼンと登攀具を着ける。そこから取り付きまでは細い尾根を少し登る。風は強くなく、岩壁にはあまり雪が付いていなかった。全ピッチ井上がリードをした。
1ピッチ目
 下部岩壁下のハンガーボルトと残置ハーケンで支点を取り登攀を開始する。岩壁下には支点が少ないため本来は一段下の潅木で取るのが良い。下部岩壁沿いに右下へトラバースして凹角を左上する。一段登った後の右側の狭い凹角は難しいため左に巻いて大岩を乗越し、傾斜の緩い斜面を登るとテラスに着く。ハンガーボルト2個で支点を取り30mでピッチを切る。もう一つ奥にも支点があり、そこでもピッチを切ることができる。
2ピッチ目
 視点から左に5m程トラバースし、急な草付きを登る。雪付きが悪く、アイスハンマーも利きにくいため木を掴んで登る。登り過ぎると声が届かなくなるため、25mでピッチを切る。
3~ 4ピッチ目
 木で支点を取りながら潅木と岩混じりの雪稜を登る。
5ピッチ目
 上部岩壁基部まで10mザイルを出す。新しいハンガーボルトでピッチを切る。
6ピッチ目
 右側の急な凹角を登る。凹角にはホールド、スタンスはあるが細かいためA0を交えて慎重に登る。凹角の抜け口は少し被っているため難しい。スタンスはしっかりしているためよく見てから乗り越す。上がり切った所のハンガーボルトで支点を取り25mでピッチを切る。
7ピッチ目
 簡単な雪稜を登る。支点は潅木で取ることができる。45mザイルを出した所でピッチを切る。
8ピッチ目
 稜上を忠実にピナクルまで行き、そこからから左に巻くように簡単な岩場を登る。登り切るとトサカ状岩壁の基部に着き、ハンガーボルトでピッチを切る。
9ピッチ目
 明瞭なバンドをトラバースし縦走路に合流した所でピッチを切る。途中のピナクルで支点を取り、ザイルの流れが悪くならないようにする。ここで中山尾根の登攀を終了する。 赤岳方面の縦走路を辿り地蔵尾根を下ってBCへ帰幕する。
 
地蔵尾根の上部は急だが明瞭なトレースがあり、天気も穏やかであったためあまり怖くはない。樹林帯に入るまではハシゴ場とクサリ場があり慎重に下る。樹林帯に入った所でアイゼンを外してBCまで一気に駆け下る。
文責:井上
*赤岳主稜パーティ 関根(2)=中村(2)=岩附(4)
BC(6:05)~取り付き(7:05)~登攀開始(7:30) ~終了点(11:40)~赤岳頂上山荘(12:05)BC(13:00)
 朝からよく晴れており稜線が見える。BCから文三郎道に向けて出発する。文三郎道の樹林帯を抜ける手前でアイゼンとハーネスを着ける。傾斜は次第にきつくなるがトレースがしっかりあるため歩きやすい。文三郎道の途中から赤岳沢へと進み、岩混じりの雪面をトラバースして取り付きへと向かう。取り付きには単独の登攀者がいたため登攀の準備をして待機する。関根が全ピッチリードした。
1ピッチ目
 取り付き正面にある顕著なチョックストーンのあるチムニーを登る。スタンスはあるがホールドがない。傾斜が強く左側のフェースから回り込むように登る。回り込む際はホールドが乏しかったため残置スリングを使用した。その後は、簡単な岩と雪のミックスした斜面となる。上部のフェース手前にあるテラスまで右上して30mでピッチを切った。チョックストーンを乗越す際はアイスハンマーを使うべきであった。終了点はハンガーボルトで支点が取れる。
2ピッチ目
 左側へとトラバースし、フェースを登る。フェースを登り切ると、潅木交じりの雪稜となる。ルートを間違え稜線の南側に回り込んでしまったため、ザイルの流れが悪くなり、途中の残置ハーケンを使用してピッチを切る。
3ピッチ目
 緩やかな岩混じりの雪稜が続く。2ピッチ目のミスがあり支点が取れず、ザイルを一杯に伸ばしハンガーボルト1つで支点を取ってしまった。50mでピッチを切った。
4ピッチ目
 雪稜を進み、途中の露岩のハーケンで支点を取り40m程でピッチを切る。ここで後続の一般パーティに追い付かれる。
5ピッチ目
 雪稜を登り、上部岩壁基部まで進みハンガーボルトで支点を取った。上部岩壁の取り付きは、正面のフェースを登るのではなく右側を回り込むように登る方が簡単であり、どちらにもハンガーボルトがあるため間違えないように注意する。20m程でピッチを切った。
6ピッチ目
 核心部の岩壁登攀となる。正面にある階段上の凹角を登り、岩と氷の易しいミックス斜面になる。稜通しに行きチムニー内に入り、体を潜り込ませて抜ける。高度感があり緊張する。すぐ上のハンガーボルトで支点を取り40mでピッチを切る。
7ピッチ目
雪稜から岩稜を登るが次第に傾斜が増してくる。チムニー手前で40m程でピッチを切る。 8ピッチ目
 稜上を目の前のチムニーを目指して登る。チムニーは急に見えるがホールド、スタンス共に豊富にあり問題ない。赤岳の肩に出る手前の広い斜面にて、大岩で支点を取り40mでピッチを切り、ここで登攀を終了する。 赤岳の肩まで進み、ここで縦走路と合流する。赤岳頂上山荘からは権現岳方面の縦走路 に合流し、文三郎尾根から下る。樹林帯に入る手前でアイゼンを外しBCまで一気に下る。
文責:関根
2月9日 雪 -14℃
BC(6:50)~ジョウゴ沢F1(7:20)~ジョウゴ沢F2(8:05) ~BC(12:00)  
 早朝から積雪があり風も強かったため、1時間天気待ちをする。稜上にガスが掛かり、天気の回復が見込めないためジョウゴ沢でアイスクライミングをすることにした。  BCを出発しジョウゴ沢に向かう。大同心、裏同心ルンゼの概念を確認しながら進むがどちらもトレースがしっかりとあった。ジョウゴ沢入り口にはロープが張ってあり、看板もある。トレースを辿り、平坦な沢沿いを進むとF1に到着する。ここでアイゼン、登攀具を着ける。F1にてアイスクライミングの講習を行う。アックスの使い方、スタンス、アイススクリューの場合の支点構築などを講習した。氷が少なく階段状になっていた。一人数回登る練習をして上部のF2に移動する。F2も例年よりも氷が張っておらず、滝の奥で水が流れているのが確認できた。正面にトップロープを1本張り、氷壁を登り込む。一通り登攀を終えたところで乙女の滝、F4へと進む。しかしこのあたりから天気が悪化してきたため引き返す。F2を懸垂下降して再度、トップロープを張りアイススクリューで支点を取りながらリードの練習をした。その後BCへ走って帰幕した。この日は1日中非常に天気が悪かった。
文責:関根
2月10日 晴 -15℃
*小同心クラックパーティ 井上(2)=小島(1)=小野寺(4)
BC(7:00)~取り付き(9:00)~登攀開始(9:30) ~登攀終了(14:00)~BC(15:20)
 BCから赤岳鉱泉方面へ向けて出発する。大同心沢を2400m付近まで詰めていき途中から大同心稜の樹林帯を登る。稜線までの急登が前日の降雪でラッセルとなっていたため登りにくい。樹林帯の終わる少し手前で傾斜がさらに急になったためアイゼンと登攀具を着ける。大同心基部より小同心に向かってトラバースする。雪崩れそうな斜面を慎重に進み、小同心基部の取り付きまで行く。全ピッチ井上がリードを行なう。
1ピッチ目
 左に見える顕著な凹角を左上する。ホールド、スタンスはしっかりしている。40m程ザイルを伸ばす予定であったが流れが悪くなりそうだったので20mでピッチを切る。
2ピッチ目
 1ピッチ目の続きの凹角を登る。カムやピナクルで支点を取りながら20m程登った所でピッチを切る。
3ピッチ目
テラスから右のチムニーを登る。チムニーはホールド、スタンス共に豊富だが前日の降雪で雪が被っており掘り出しながら登る。20m程で一度チムニーから抜け、その後右側の狭いチムニーを10m程登り、抜けた先の小同心の肩でピッチを切る。抜けきった台地でピッチを切る。
4ピッチ目
小同心の頭まで登る。雪面を5m程トラバースして少し上がり、そこからは階段状の岩場を登る。稜上手前のハンガーボルトで支点を取り登攀を終了した。
横岳の頂上直下まではトレースを進む。横岳に登らずに岩壁基部を赤岳側へトラバースして、クラストした草付きの斜面を登り縦走路へ合流した。時間が押していたため地蔵尾根よりBCへ戻ることにする。途中雪崩れそうな斜面のトラバースもあり慎重に通過する。地蔵尾根は一昨日と同様トレースがしっかりとある。樹林帯の手前でアイゼンを外し一気に駆け下った。
文責:井上
*石尊稜パーティ 関根(2)=中村(2)=岩附(4) BC(7:00)~登攀開始(8:45)~登攀終了(13:15)~BC(14:35)
 朝雪が降っていたため、食当を1時間遅らせるが、その後天気が回復してきたため、石尊稜の登攀に出発する。BCから中山乗越まで少し登り、樹林帯の九十九折りの道を駆け下る。その後沢を渡る橋の手前から、樹林帯の平坦地に入り横岳西面に向かって沢沿いに詰めていく。昨晩までの降雪は20~30cmあり、トレースが薄っすら確認できる程度である。そのため膝下程度のラッセルをしながら進むが潅木が頻繁に生えており、枝が引っかかって煩わしい。右岸側の小同心ルンゼ、三叉峰ルンゼの分岐を通過し、鉾岳ルンゼに移って左側の石尊稜に続くリッジを登る。沢筋は降雪のため雪崩れそうであった。しかしリッジも雪付きが悪く登りづらかった。樹林帯の稜線を登り切り視界が開けたところで、下部岩壁の取り付きに着く。取り付きにはハンガーボルトの支点はあるが、傾斜がきつく雪質も軟らかく不安定であった。そのため、ピッケルを使って整地したが、少し下がって木の生えた場所で登攀準備するべきであった。ここでアイゼンと登攀具を着け、登攀を開始する。1~2ピッチ目、10~12ピッチ目、は関根がリードし、3~9ピッチ目は最初に中村がリードし、その後ツルベで登った。

1ピッチ目
 取り付き正面から岩壁を直上する。スタンスはあるがホールドが細かいため難しく感じる。さらに降雪で雪が付き、登るのに苦労する。途中から上部の木に向かって左上しながら登り、短い雪稜を登り切った先にある上部の潅木でピッチを切る。
2ピッチ目
 急なヤセ尾根の雪稜を登って行く。西側が切れ落ちているため少し高度感があるが、樹林帯の中であるためそれほど危険ではない。潅木を使って50mでピッチを切る。その後コンテニュアスをしながら簡単な雪稜を100m程進む。
3ピッチ目 途中に大きな露岩が現れ、傾斜がきつくなってきたため再び登攀を開始する。露岩を右側から左に回り込みながら通過する。15m程進んだところで潅木を使ってピッチを切る。
4ピッチ目 
50m程簡単な雪稜を進む。支点は潅木で取る。
5ピッチ目 次第に疎林帯となり、視界が開けてくるとナイフリッジが現れる。ナイフリッジの終わりでハイマツを掘り起し、50mでピッチを切る。
6ピッチ目
 簡単な雪稜を50m程進み、潅木で支点を取る。
7ピッチ目
 急な雪面を越えて傾斜の緩やかな簡単な雪稜を進むが、ザイル一杯まで進むと丁度良い支点が見つからなかったため少し戻り40m程登ったところの木を支点にし、ピッチを切る。
8ピッチ目
 簡単な雪稜を進むが、奥にナイフリッジと急な斜面が見え、ザイルの長さを考慮して25m程でピッチを切る。
9ピッチ目
 5m程のナイフリッジを越え、岩が露出した急な雪面を左から巻いて進み、25m程で潅木を使ってピッチを切る。20m程登ったところの上部岩壁取り付き手前でピッチを切る。支点はピナクルとハンガーボルトで取った。
10ピッチ目
 ここから上部岩壁の登攀となる。他の登山者のパーティと合流するが、関根がリードで先に進む。最初の凹角は正面から登る。凹角を抜けたところは切り立っており、高度感があって怖い。さらに階段状の岩場を登り15m程でピッチを切る。
11ピッチ目
 上部岩壁の取り付きまで25m程雪稜を進み、取り付きの凹角脇のハンガーボルトでピッチを切る。
12ピッチ目
 岩混じりの雪稜を稜線に向かってさらに詰めていく。登り切ると広い雪面 となる。岩で支点を取り40m程でピッチを切りここを終了点とする。
 ここからクラストした雪稜を10m程登り、稜上に出る。稜上は晴れてはいるが、風が強い。登攀終了後、風の避けられる岩陰で小休憩を挟んでから縦走路と合流する。縦走路に合流した後は赤岳方面に向かって登山道を進む。途中雪崩れそうな斜面があったため、トラバースの際は1人ずつ通過した。地蔵尾根を下り、5m程の階段を通過した後樹林帯に入る手前の雪面でアイゼンを外してBCまで走って帰幕した。
文責:中村
2月11日 晴 -15℃
BC(6:40)~美濃戸山荘(7:50)~美濃戸口(8:50)
 今日は朝から晴れており、絶好の下山日和である。朝食後すばやくテントを撤収しパッキングして下山する。平坦地の樹林帯を進むが、トレースがしっかり出来ており、ラッセルもなく順調に進む。沢筋に沿って下っていくがすこし進んだところで、沢が凍りつき滑りやすくなっており歩きづかった。転倒しないよう注意して慎重に進む。すれ違う登山者も多かったためぶつからないように配慮して進む。美濃戸口山荘の手前の道は岩や土がむき出しになっていた。美濃戸山荘からは舗装された車道を駆け下る。ここも道に氷が張っており、転倒しやすくなっていた。美濃戸口まで全力で走り切り、皆で体操をして春山強化合宿を終えた。
文責:中村





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