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~RECORD 2015~

春山合宿

期間:平成28年(2016)3月4日(金)~3月11日(金)
場所:北アルプス 裏銀座縦走 ブナ立尾根~槍ヶ岳~新穂高温泉
参加メンバー:小野寺(CL)岩附(4)井上(2)関根(2)中村(2)
       小島(1)
参加OB・OG:  

3月4日 晴 
3月4日 葛温泉冬季ゲートを出発するブナ立尾根取り付きまで向かう3月5日 ブナ立尾根2300m付近。3月6日 烏帽子小屋から野口五郎岳へ向かう。野口五郎岳までは夏道が見えている所もある。野口五郎小屋に到着。風が非常に強く、冬季小屋に入る。3月8日 水晶岳へ向かう。鷲葉岳にて。三俣山荘付近。3月10日 三俣蓮華岳にて。深いラッセルはなく快適。西鎌尾根の硫黄乗越から先は急なトラバースが数ヶ所ある。3月11日 槍ヶ岳頂上にて。天気が良いのでこのまま下山に移る大喰岳西尾根の下り。歩きにくいクラスト斜面と吹き溜まりで足を取られる。時間に余裕があるため新穂高温泉に下山する。
         
葛温泉冬期ゲート(6:25)~七倉山荘(7:00)~濁沢キャンプ場(8:45)~ブナ立尾根取り付き(9:00)~Fix地点(12:45)
 前日に深夜バスで新宿西口バスターミナルから信濃大町駅まで行き、駅からタクシーに乗り換え葛温泉の冬期ゲート前まで行く。準備体操をした後、行動を開始する。天気はよく晴れていた。冬期ゲートから先は除雪がしてあり、アスファルトの上を進む。いくつかのスノーシェッドと七倉トンネルを越えると七倉ダムが左手に見える。例年より雪が少ないようである。七倉山荘から山の神トンネルを進み、しばらくすると高瀬ダムが見えてくる。高瀬ダムの九十九折りの車道を登り、湯俣との分岐をブナ立尾根方面に進む。すぐ先にあるトンネルと濁の橋を越えると濁沢キャンプ場の広い雪原が広がっていた。ここに幕営する計画であったが、時間と隊の状態を見て先に進むこととする。ここでスパッツとオーバー手袋を着ける。天気が良く、日差しもあって暑いほどであった。

 ブナ立尾根取り付きは、橋を渡った目の前の斜面に赤テープが付いているため分かりやすい。樹林帯の急登の雪は膝下位であったが、良く締まっていたため、ワカンを着ける必要はなかった。1800m付近で通過が難しい斜面が出てきたため、ここで1ピッチFixを張る。この日は2209mのピークに到達するのは難しいと判断し、1950mの平坦地に幕営した。幕営後、地形図で確認してみると、どうやら夏道の尾根とは違う尾根を登っていたことが判明した。明日の行動をよく確認し、就寝した。
文責:小島
3月5日 雪のち晴 -3℃
1950m付近幕営地点(5:45)~烏帽子小屋(10:30)
 1950m地点から2208mのピークを目指して進む。雪が降っているが積もるほどではない。今日はワカンとスパッツ、オーバー手袋、毛手袋を着けて行動する。雪はサラサラしていて登りづらい。急登を登りきると2209mのピークに到着する。少し進んだ所の2250mのタヌキ岩は雪が付いており、北から巻くことができた。2300mの細いナイフリッジを慎重に通過し、主稜線を目指して登って行く。この頃には雪は止み、膝下ほどのラッセルとなる。主稜線に上がるとクラストしていた。周辺に潅木があり少し下ったところの烏帽子小屋の西側の脇に幕営した。
文責:小島
3月6日 晴のち曇 -3℃
烏帽子小屋(5:30)~2616mピーク先のコル(6:30) ~2792mピーク手前のコル(7:50)~野口五郎小屋(9:00)
 今朝も星がよく見え晴れており、風も穏やかである。すばやくテントを撤収し、烏帽子小屋を出発する。烏帽子小屋先の稜線は二重稜線になっており、夏道に沿って行くと厳しいため、主稜線上を忠実に行く。樹林帯を越えるまでは膝下程度のラッセルがあるが、辛くはない。2616mピークから三ッ岳直下までは、強風で雪が飛ばされて地面が露出しており、夏道がはっきりと分かるため、できる限り夏道を歩く。その後三ッ岳に向けてクラストした斜面を緩やかに登る。三ッ岳に着くと風を遮る稜線がなくなったためか、西風がかなり強まった。三ッ岳を下った先は、夏道のトラバースも行けそうではあったが、稜線上を忠実に行くことにする。アイゼンを常に斜面に効かせて歩かないといけないため足が痛くなった。2792m手前のコルにて再び休憩を取る。ここは積雪が少なく、砂利がむき出しになっていた。2792mから先は、途中夏道が見られたが基本的には稜上の西側を巻くか、稜上に忠実に進む。ほとんどクラストしており、稜線の幅も広いため、危険箇所はなく先行はガンガン進む。小ピークが見えてから少し下ると野口五郎小屋に到着する。小屋付近は完全にクラストしていた。さらに風もかなり強まっていたためテント設営は断念し、冬季小屋を利用することにする。小屋の中も寒いが風は凌げるため快適であった。この日の午後から天候は悪化し、外は吹雪となっていた。
文責:中村
3月7日 曇 -4℃
停滞
 昨日の強風は今朝に無く大分落ち着いていたが、ガスが掛かっているため視界が悪い。日の出の時間まで天気待ちをする。7時30分に外の様子を見るが依然として視界がない。8時30分に再び外の様子を見るが天候が回復しないためこの日は停滞とする。11時に停滞食のすいとんを食べる。時々天気の様子を窺うが日没まで日差しは見られなかった。各自昨日までの疲れを取り、良い休息日となった。
文責:中村
3月8日 晴 -6℃
野口五郎小屋(5:20)~野口五郎岳(5:30)~東沢乗越(6:50) ~水晶小屋(7:40)~鷲羽岳(9:20)~三俣山荘(10:10)
 朝には前日のガスが晴れていた。また、西からの風は強いものの気温はあまり下がらなかった。緩やかなクラストした斜面を登るとすぐに野口五郎岳に到着する。野口五郎岳は、ピークを巻く夏道も露出しており通ることもできた。そこから、稜線上ではなく、夏道に沿ってトラバースし、真砂岳を巻いて通過する。夏道が所々見えるクラスト斜面を進む。真砂岳を通過すると、水晶岳の稜線に遮られたためか風が弱まる。ここから先も所々夏道が見える稜線上を行くが、南側に小規模な雪庇があるため注意しながら進む。

 東沢乗越から先は懸念されていた岩稜帯であったが、想定していた以上に雪が付いていた。そのためザイルを出さないで通過することにする。稜線の南側は切れ落ちているため、基本的に北側を通過する。岩峰を巻くため、急斜面をトラバースした時は緊張したが、慎重に足を置いて行けば問題はない。最後の岩峰のトラバースを終え、水晶小屋までの急登を一気に登る。水晶小屋に予定より早く到着し、天候も崩れそうではなかったため三俣山荘まで進むことにする。

 水晶小屋から先で再び風が強まり、ガスで視界が悪くなる。2841mのピーク手前は尾根が広く道を誤らないようコンパスで方角を確認しながら慎重に進む。2841mピークを越えてからは夏道が出ており、夏道を辿りワリモ岳頂上に向かう。ワリモ岳手前は西側がクラストした急斜面になっており慎重にトラバースする。ワリモ岳の下り始めは、急な雪面であったため注意して通過する。鷲羽岳までは尾根上を忠実に進む。鷲羽岳から先は頂上直下が急で痩せているため慎重に下る。次第に傾斜は緩くなり、九十九折りの夏道がはっきりと分かる。三俣山荘付近は夏道より北西側のクラストしたハイマツの上を歩く。三俣山荘に着く頃には再びガスが晴れてきた。三俣山荘の冬季小屋はほとんど埋没していた。山荘の三俣蓮華側は強風のため鷲羽岳側に幕営する。天候の悪化を懸念し、ブロックを北側に積み立てる。夕方から天候が悪化し、風雪が強まった。
文責:井上
3月9日 雪 -4℃
停滞
 風雪が激しかったため、朝食を1時間遅らせる。朝食後も好天を待つが、風雪が弱まらないため停滞とする。雪がテントの周りに吹き溜まり、頻繁にテントラッセルをする。夜の間も風が強かったが雪は次第に弱まってきた。
文責:井上
 3月10日 晴のち曇 -8℃
 三俣山荘(6:30)~三俣蓮華岳(7:30)~双六岳(8:40) ~双六小屋(9:10)~左俣乗越(11:30)~千丈沢乗越(13:45) ~槍ヶ岳山荘(15:50)
  朝から風はあるが星空がよく見える。テントを撤収し、三俣山荘を出発する。三俣蓮華岳まではほとんどクラストしているが、所々吹き溜まった場所を通過する。ラッセルも少なく快適に進む。三俣蓮華岳直下の急登は膝下程のラッセルとなるが雪が締まっているため登りやすい。ここから双六岳までの稜上はクラストしていてサクサク進む。双六岳辺りで西側の空に雲が出てきて風が強まってくる。西鎌尾根を見ると硫黄乗越は吹きさらしで幕営は厳しそうに見える。山頂から双六小屋までは夏道と同じように進む。下りは雪が深いが適度に締まり、駆け下っても足に負担のかからない下りやすい斜面となっていた。大雪が降った後は雪崩が起きそうな斜面であるため注意が必要である。双六小屋は夏の風景とあまり変わりなく、風も弱く快適で最高の幕営地であった。
 
 弓折岳への稜線はなだらかで岩もあまり見えておらず下りやすそうな稜線に見える。 樅沢岳までは夏道から次第にクラスト斜面となった。稜上は南風が強く時々右手で頬を押さえる。硫黄乗越までは稜線の南側斜面をトラバースするように進む。アップダウンが多く、長時間南側の急傾斜にアイゼンを効かせるため足が痛くなる。西鎌尾根の北側は切れていて所々雪庇がある。しばらく進むと硫黄乗越に着く。硫黄乗越は広く幕営可能そうであったが風が良く通り、また時間もあったため15時過ぎに槍ヶ岳山荘に着くのを目標に出発する。千丈沢乗越まではクサリ場が多数出てくる。クサリは半分くらい使えるが、クサリに頼らず登るほうが安全で登りやすい。所々南側斜面に岩肌が出ているところがあり、状況を見て稜上を進んでいく。

 風は段々と強くなり、ガスに覆われて槍ヶ岳も見えなくなってきた。メンバーも疲労してきて集中力を切らすと落ちてしまいそうな緊張感がある。千丈沢乗越手前の風の当たらない少し広くなったところで休憩する。整地すればテントが張れそうだがすぐ北側が切れていて少し怖い。ここから槍の肩までが最後の急登となる。完全にガスが掛かり先のルートが良く見えなくなっていく。南風もかなり強くて冷たくなり、風に混じって飛んでくる氷粒が痛い。同じように稜線に沿って南側をトラバースして行く。クラストも硬く、たまにある吹き溜まりがいやらしい。ザイルを出すか判断が難しい斜面だが、急斜面でザックも下ろしにくく、また時間もないためそのまま慎重に通過する。1年生の下には4年生がガッチリ付く。途中の大岩は大きく南側に巻いて通過し、再び稜上に向かって登っていく。夏道は全く出ておらず直上する。肩への上がり口は稜線を北側に乗越すがガスが濃く見えにくい。夏に通っていなかったら分からなかったと思われる。肩に上がるとすぐに冬期小屋入口がある。山荘周辺は狭く、テントを張れそうな場所は強風を直に受けていた。また、風が避けられる場所は吹き溜まりが氷化しており、整地に時間が掛かりそうであった。さらに天気も悪く疲労していたため冬期小屋に避難することにする。皆疲れ切っていてため、甘いミルクティーで疲れを癒した。
文責:関根
 3月11日 晴 -18℃
 槍ヶ岳山荘(6:20)~槍ヶ岳山頂(7:50)~大喰岳(9:20) ~槍平小屋(11:50)~滝谷避難小屋(12:30)~白出沢出合(13:45) ~穂高平避難小屋(14:30)~新穂高温泉(15:10)
 昨日までの悪天が嘘のように朝から無風快晴である。すばやく準備をして槍ヶ岳のアタックに向かう。岩附、関根が先行して頂上へのFixを張りに行き、その後、他の者が向かう。頂上までは積雪が多く、クサリがほとんど埋まっている。クラストした雪面にアイゼンをしっかり効かせてFixを2ピッチ通過して進む。頂上までのハシゴ場は高度感があって緊張した。頂上も無風快晴であり、遠くに剱岳まで見える。皆で記念撮影をして再び来た道を戻る。Fixの回収は岩附が行った。Fix箇所はクライムダウンでアイゼンの爪とピッケルのピックをしっかり効かせて慎重に降りる。Fixの終了点から取り付きまでの下りはクラストしており滑落の危険があったため、懸垂下降で下ることにする。全員が槍ヶ岳山荘に着いてから少し休憩を取る。天気も良いので、このまま槍平まで下ることにする。

 大喰岳手前までは、クラストした急雪面であり、慎重に登って行く。大喰岳のピークからは顕著な西側の稜線へ進む。下り始めは傾斜が強くクラストしているため滑落に注意して慎重に下りる。2600m辺りから積雪が多くなり、ラッセルしながら下降する。ここから森林限界に入るまでガンガン下っていく。大喰沢から飛騨沢の方へトラバースする際に雪崩そうな斜面の直下を進む、1人ずつ気を引き締めて進んだ。飛騨沢に移り、樹林帯に入る頃には気温はぐんと上がり暑く感じられる。引き続き下りはラッセルであるが雪質が軟らかいので辛さは感じられない。平坦地になってから、小休憩を取る。ここでアイゼンからワカンに履き替え、槍平小屋まで進む。槍平小屋付近のルンゼは雪崩れた跡があった。槍平小屋に到着した時点で、時間に余裕があったため、さらに下ることにする。

 槍平小屋から滝谷避難小屋までは緩やかなアップダウンを交代でラッセルして進む。トレースが見られたため道は分かりやすい。滝谷避難小屋まで順調に進むことができたため、皆ここから下山に向けて気合を入れる。滝谷避難小屋から白出沢出合までもラッセルは無く、トレースを辿ってガンガン進む。白出沢出合から新穂高温泉まではほとんど弾丸道路であり、一気に進む。新穂高温泉まで最後の力を出し切り全力で進む。バス停の手前で整理体操をし、8日間の濃密な合宿を終えた。
文責:中村
 





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