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2023年度 秋山合宿

期 間:2023年9月6日~9月16日

場 所:南アルプス 広河原~池口岳登山口

 

 :9月 6日 入山 甲府駅(路線バス)~広河原~白根御池小屋

7日 白根御池小屋~北岳~北岳山荘

8日 停滞

9日 北岳山荘~間ノ岳~三峰岳~熊ノ平小屋

10日 熊ノ平小屋~安部荒倉岳~北荒川岳~塩見岳~三伏峠小屋

11日 三伏峠小屋~烏帽子岳~小河内岳~高山裏避難小屋

12日 高山裏避難小屋~前岳~荒川小屋

13日 荒川小屋~赤石岳~百間洞幕営地

14日 百間洞幕営地~兎岳~聖岳~聖平小屋

15日 聖平小屋~茶臼岳~易老岳~光岳小屋

16日 光岳小屋~加加森山~池口岳~池口岳登山口 下山

 

 

9月6日 小雨

広河原(12:10)~1950m(13:10)~2200m(14:20)~白根御池小屋(14:50)

バスを降りて少し離れたところに水場があったので、水場まで移動してから体操を行うことにした。どんよりとした天気の中、野呂川にかかる吊り橋を渡ると水場に到着した。ここの水場は水道の蛇口が多くあり、水場は豊富だ。小雨が降ってきた中、体操を行い行動を開始した。ここから登山道に入っていき、大樺沢沿いに緩やかに標高を上げていく。大樺沢沿いに歩いていくと白根御池小屋と大樺沢コースの分岐があり、白根御池小屋方面へと進む。この分岐から徐々に急登となっていく。第一ベンチを超えてまた急登を登っていく。所々木でできたハシゴを使いながら標高を上げていく。重荷で急登のため、ペースがなかなか上がらない。第二ベンチを過ぎて15分ほど登ると急登が終わる。急登が終わった2200m付近で休憩をとり、ここからトラバースしていく。ここで段々とペースが上がっていき、一気に白根御池小屋に到着した。テント場には白根御池があり、その近くの少し高い位置にテントを張る。雨が降ってきたため早急に幕営し、1日目の行動を終了した。

 

9月7日 晴 11℃

白根御池小屋(6:30)~2530m(7:30)~2800m(8:40)~2900m(9:50)~北岳(11:20)~北岳山荘(12:50)

本日は白根御池小屋から北岳山荘へ800mほど標高を上げることになる。北岳山荘では水場が有料という情報があるため、ジャンポリに水を入れての行動となった。最初は平坦な道を進むが、すぐに急登となり昨日よりも重くなったザックでなかなかスピードが乗らない。谷を登る登山道がやがて九十九折の登山道へと変わっていく。ところどころ急な段差がある中しばらく登り、大樺沢への分岐を通り過ぎる。2800mまで来ると森林限界となり視界が良くなった。ここから少しガレた道を進む。肩ノ小屋までは緩やかな登りだったが、そこから北岳へ200mほど標高を上げる急登が始まる。重荷に耐えながらここを上ると北岳に着く。全員で写真撮影をし、休憩を取る。北岳からの下り道はガレており、転落の危険があるため、上級生が1年生の前に出て慎重に降りていく。40分ほど下ると傾斜が緩やかになり、歩きやすくなる。少し進むと北岳山荘に到着した。全員全力を出し切ったが、北岳山荘の水場は無料だった。

 

9月8日 雨 7℃ 停滞

 台風13号の影響により未明から雨風が強いため停滞した。テントを建てた場所が水溜まりになる場所であったため、朝食後に移動することにした。風が強く難航したが何とか移動をすることが出来た。移動後、濡れたものを乾かすためにラジウスをつけた。濡れたものを乾かしながらラジオで台風情報を聞いた。どうやら台風13号自体の勢力は強くないが、中心から北東側へ、大雨を降らす雲が流れてきているようだ。濡れたものを乾かした後、12時頃まで就寝した。また、テントの外に出る人は張網をチェックする。就寝中に北東側の雲が通り過ぎ、雨風は大分弱くなっていた。起床後はお茶にした。高山病対策として沢山お茶を飲んだ。15時ごろに早めの夜飯にし、16時に全員で天気図を書いた。その後は明日の行動へ向けて早めに就寝した。

 

9月9日 曇 10℃

北岳山荘(6:20)~中白根山(7:00)~間ノ岳(8:20)~2870m(9:45)~熊ノ平小屋(10:50)

少し曇り気味であったが前日の台風は過ぎ、晴れ間が見えた。速やかに体操を済ませ小屋を出発し稜線に出る。稜線に出てからは中白根山まで少しガレた道を進んでいく。中白根山に着く頃には青空が見え始め間ノ岳まで見ることができた。中白根山から緩やかな稜線を進んでいくと広いピークの間ノ岳に着く。間ノ岳で写真を撮り三峰岳へ進んでいく。下りはガレ場が続き歩きづらい。三峰岳からはハイマツを横に見ながら進んでいく。しばらくすると樹林帯になりジグザグした道を進む。樹林帯を抜けて熊ノ平小屋の水場を過ぎると小屋が見え始める。水場を超えた樹林帯にテントを張った。この日は時間があったためお茶を飲んだのちに全員で読図の訓練を行なった。

 

9月10日 晴れ 10℃

熊ノ平小屋(5:30)~2650m(6:30)~北荒川岳(7:45)~2750m(9:00)~塩見岳(10:20)~2710m(11:15)

~2520m(12:50)~本谷山(13:40)~2498m(14:10)~三伏峠小屋(15:30)

明け方、熊ノ平小屋を出発した。最初は緩やかに標高を上げていき、しばらくトラバースする。この時、北荒川岳と新蛇抜山のピークは踏まずに進んで行く。アップダウンがほとんどなく、順調に進むことができた。しばらく歩き、緩やかに登っていくと北荒川岳に到着する。このあたりから樹林帯を段々と抜けていき、見晴らしの良い稜線を進む。西側が崩落しているため慎重に進み、しばらく行って稜線を外れる。稜線を外れてすぐに北荒川岳のキャンプ場を通り過ぎる。この辺りは草原のようになっている。草原を通り過ぎ、しばらく細い尾根を進んで行くと急登が待っている。ガレた長い急登に苦しめられる。しばらく登っていき、最後に急登を登ると塩見岳にたどり着いた。塩見岳山頂は多くの登山客で賑わっていた。塩見岳西峰を超えるとガレた道なので転倒と捻挫に注意しながら下っていく。所々足場が悪く、鎖場が設置してある。しばらく急登を下っていくと前方に小ピークが見える。それを一気に登ると、塩見小屋の入り口を通り過ぎる。この2766mの小ピークを下っていくとトラバースに移り、樹林帯に入っていく。ここはオレンジテープはあるものの少し迷いやすいので慎重に行った。ここから多少アップダウンをすると本谷山への登りとなる。本谷山を登りきると下っていき、さらに三伏山への登りとなる。ここから段々と樹林帯からハイマツ帯へと変わっていき、なだらかな登りとなる。三伏山から下るとすぐに三伏峠に着き、「三伏峠小屋まであと200歩の看板」から少し登っていくと三伏峠小屋に到着した。三伏峠小屋は多くのテントで賑わっており、速やかに幕営し、長い1日の行動を終了とした。

 

9月11日 曇 10℃

三伏峠小屋(6:15)~烏帽子岳(7:00)~前河内岳(7:45)~小河内岳(8:25)~2599m(9:20)~板屋岳(10:35)

~高山裏避難小屋(11:20)

三伏峠小屋を出発する。一面に広がる雲の間隙から空が見える。烏帽子岳への登りは、草気が登山道に飛び出していて少し歩きづらい。進行方向右側が崖になっているため慎重に進む。鳥帽子岳からは昨日登った塩見岳が良く見えた。樹林帯から段々とハイマツ帯に変わっていく。しばらく進むと前小河内岳を通過し小河内岳へ登っていく。低木林に囲まれた緩やかな道を進むと小河内岳に着く。小河内岳からは樹林帯の中を下っていく。倒木がちらほらと見られる。緩やかな道を進むと西側に大きな崩落跡が見える。ここを超えるとすぐ大日影山を通過する。細い道の樹林帯を進んで行き板屋岳に着く。板屋岳を越えると、また西側が崖になっているところがあるため気をつけて進む。そこを過ぎれば後は広い下り道を進んで高山裏避難小屋に到着する。素早くテントを設営しこの日の行動を終了した。

 

9月12日 晴後曇り 8℃

高山裏避難小屋(6:10)~2450m(7:10)~3030m(8:50)~前岳(9:20)~荒川小屋(10:40)

今日から後半戦が始まる。薄暗い樹林帯の中を歩いていく。平坦な道が続き、1時間ほどで急登の取り付きに着いた。急登は地形図上で見るとかなり大変そうに見えるが、実際に下から見るとそこまで大したことはなさそうだ。急登はガレており浮石による転倒と捻挫に注意しながら順調に進んで行く。1年生も頑張っている。ブーストをかけ、止まらずに稜線まで上がった。稜線からは南西側が崖となっているので注意して進む。特に頂上付近の3000m辺りはガレの縁を歩くので慎重に歩いた。落ちると怪我では済まされない。また、道がハイマツと重なっており分かりづらかった。前岳からの景色はとてもきれいで、今まで歩いてきた間ノ岳や塩見岳が見え、この先向かう赤石岳や聖岳も見える。この日は行動時間が短いので山頂で30分ほど休憩を取った。休憩後、前岳と中岳のコルにある分岐から荒川小屋へと向かっていく。急坂は素早く降りていきやがて平坦な道となる。特に危険箇所はなく、順調に歩いていくと荒川小屋に着く。小屋に着いた辺りからガスがかかり始めた。

 

9月13日 晴 9℃

荒川小屋(6:00)~大聖寺平(6:40)~小赤石岳(7:55)~赤石岳(8:30)~百間平(10:00)~百間洞幕営地(11:00)

晴天の中、速やかに体操を済ませ行動を開始する。右手に稜線を見ながらガレたトラバース道を進んでいく。だんだんと平坦な道になって行き大聖寺平へ到着する。小赤石岳への登りに入る前にハイマツ帯の近くで休憩を取る。振り返ると荒川三山が全て見えるほどの晴天の中、小赤石岳へ登り始める。始めは緩やかな坂を登る。しばらくすると急登になり、それを越えると小赤石岳の肩にでる。稜線に出てから20分ほどで小赤石岳に到着しそのまま下る。コルから赤石岳までは一気に登る。山頂直下のジグザグな道を進んでいくと赤石岳に到着する。曇の隙間から晴れ間が見えるが、ガスが下から上がっているようだった。記念撮影を行い休憩をとった後、遠くに見える百間平の方へと進んでいく。稜上を少し外れたガレた道を進んでいく。石に書かれた印の通りに進み、稜上に上がる。ハイマツに囲まれた道を進むとハイマツがまばらになって行き平坦な百間平に着く。気持ちの良いお花畑を越えるとまたガレた下りが始まる。コルにはほんのり紅葉した樹林帯が見え、そこへ向かって下っていく。樹林帯を抜けると道が開けて百間洞幕営地に到着する。

 

9月14日 晴時々雨 8℃

百間洞幕営地(5:15)~大沢岳(7:35)~中盛丸山(8:10)~子兎岳(8:45)~兎岳(9:45)~2690m(10:10)

~前聖岳(12:00)~2550m(13:25)~聖平小屋(14:10)

明け方百間幕営地を出発した。予定では大沢岳のピークは踏まずに行くことにしていたが、南西に進んで行き、西に曲がるところを誤って、早く曲がりすぎてしまった。最初は石でガレた急登が続いていた。手も使って登るような道で落石にも注意が必要であった。しばらく進んでいくと、道ではなくなってきて、大沢岳に向かっていることが分かった。だが、下るよりもそのまま登る方が早いと判断しそのまま直登することにした。徐々にハイマツ帯になっていき、最初はハイマツの少ないところからくぐるように進んでいたが、ハイマツ帯が濃くなっていき、手でかき分けながら進んで行った。背丈を超えるようなハイマツが続いていき、延々と登っていく。後ろから他の登山客も直登してきている。しばらく登っていくとハイマツの背丈が短くなっていき、稜線に出た。そこから大沢岳山頂はすぐの場所だった。ハイマツでタイムロスをしていたので少し休憩を挟みすぐに出発する。大沢岳から緩やかに下っていき、中盛丸山とのコルに着く。ここから中盛丸山への登っていくとすぐに山頂へ着く。この辺りは開けており、子兎岳、兎岳が見渡せる。中盛丸山を下っていき、すぐに子兎岳の登りとなる。大沢岳山頂から子兎岳山頂までかなりのハイペースで来ていた。ここからまた下っていき、兎岳への登りとなる。ここはアップダウンが激しい。開けたハイマツ帯を抜けたら砂利道の急登をジグザグに登っていき兎岳に着く。兎岳からの下りは稜線で、南側がガレているので慎重に下りていく。しばらくすると、背丈の高い木が増えてきて、細い道のアップダウンを繰り返す。しばらく休憩できる広い場所がなく、聖岳の登りの前で休憩を取った。少しガスがかかり始めてきた。急登と緩やかな登りを繰り返す。何箇所か偽ピークを過ぎ、行動時間が少し長めになってしまった。聖岳山頂に着くと、肌寒く濃い霧がかかっていて、視界は悪い。下りは砂利道の急登を下っていく。途中から小雨が降ってくる。足場の悪いところもあるので慎重に進んで行く。200m程下ったところの西側はガレており滑落に注意が必要であった。少し樹林帯に入り、また開けて平坦な道になっていく。歩いていくと上河内岳と聖平小屋の分岐が出てきて、聖平小屋の方に木道が伸びている。少し進むとすぐに聖平小屋が出てくる。近くに水道があり、水場は充実し、トイレもトイレットペーパーは捨てられないが洋式で清潔感がある。明日も行動が長いので、すぐにお茶にして行動を終了した。

 

9月15日 曇 12℃

聖平小屋(5:00)~2561m(6:00)~南岳(6:30)~上河内岳の肩(6:50)~茶臼岳(8:00)~易老岳(9:35)

~2260m(10:45)~光小屋(11:35)

朝は日が昇っておらず、ラテルネをつけて樹林帯を行動する。30分ほど経つと明るくなりラテルネを消す。2561m付近から樹林帯を抜け稜線歩きとなる。風が強く、ガスもかかっているため雨具の上を着た。西側が崖になっており気をつけながら進む。南岳からはアップダウンが緩く、平坦な道は小走りで快調に歩みを進めていく。視界が悪いが上河内岳の肩に着いた。その後も平坦な道が続き小走りで進んで行く。御花畑の平坦な草原を過ぎると茶臼岳への緩い登りになる。茶臼岳を越えると徐々に木々が見られるようになる。茶臼岳を下り切り、仁田池に着く。仁田池からは所々木道があり歩きやすい。ピークを二つ超えて喜望峰前の2480mで休憩をとる。休憩でレーションの干し芋にカビが生えていたため、干し芋以外のものを食べ進める。喜望峰を超え平坦な樹林帯の道を進んで行くと易老岳に着いた。易老岳は登山道から少し外れた場所にある。易老岳での休憩の後、三吉平へ下り順調に歩いた先の沢の入り口付近、2260mで休憩を取った。ここからラストスパートをかけ、ペースアップをする。イザルガ岳への谷状の急登を上る。急登を終え、緩やかな道が広がるとイザルガ岳への分岐と木道が現れる。木道を進み、水量の少ない水場を二箇所通り過ぎる。全力で進み光小屋へ到着した。テント設営に石が使えないので、ペグを使って設営をする。設営後は、上級生が作ったお茶とココアを飲みこの日の行動を終了した。

 

9月16日 晴 12℃

光岳小屋(5:00)~光岳(5:20)~2286m(6:00)~加加森山(7:30)~池口岳(9:10)~ザラ薙平(10:40)

~黒薙(11:50)~池口岳登山口(13:20)

 長かった縦走も今日で終わる。ラテルネを点けて薄暗い樹林帯の中を進んで行く。光岳へ向かうところを誤って芝沢ゲートの方へ進んでしまう。意気揚々と出発したが、早速出鼻を挫かれる。樹林帯を進んで行くとやがて光岳に着いた。写真を撮り再び歩き始める。ここからが今合宿の山場だ。北西方向へ進んで行く。踏み跡や目印になるものはほとんどないと思っていたが、案外踏み跡は残っており、所々に新しめのテープも巻いてある。2286mの平地では踏み跡が分かりづらくなっているので全員で地形図を出し、道を探す。その後も道ははっきりしており順調に歩を進める。2430m付近のシダの群生するところは道がわかりづらく慎重に歩いた。やがて加加森山手前の平地に着いた。ここには池口岳への看板もある。ザックを置いて加加森山の三角点へ向かう。デポ地に戻り休憩を取り歩き始める。加加森山からは緩やかな下りが続く。2312mの台地は台風の影響からか、倒木が多く視界が良い。池口岳も真正面に見える。しかし、道は分かりづらい。再度地形図を出して尾根上を歩いていく。水場下降点と書かれた看板を過ぎ、池口岳ジャンクションピークへ向けて急登を上がる。ジャンクションピークでザックを置き、空荷で山頂を目指す。100m程標高を上げると池口岳北峰に着いた。今合宿のファイナルピークに皆士気を上げる。集合写真を撮りジャンクションピークへ戻る。ここからも油断せずに着実に登山口へ向けて歩を進めていく。2156m手前にはロープが2か所張られており、滑落しないように慎重に進む。ザラ薙平で休憩を取り、再び進んで行く。コースタイムよりもかなり早く進んでおり、あっという間に黒薙に着いた。ここには池口岳登山口まで1時間40分と書かれた看板がある。この看板が合宿の終わりが目の前だということを教えてくれた。ここからは休憩を入れずに登山口まで行こうと決める。急坂を下って行き1561mの台地を過ぎズカズカと下って行く。気温が高く、面切平で水分補給をし、すぐに出発。サワラの生い茂る鬱蒼とした道を歩いていくうちに、少し遠くの方に車が見えた。最後は各自ダッシュをし、登山口へ着いた。ここで体操を行い合宿を終了した。長い夏が終わった。


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東京農業大学 常盤松会館本館3F 農友会山岳部