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2023年度 夏山登攀合宿

期 間:2023年8月6日~8月12日

場 所:北アルプス 剱岳

 

 

 程:8月6日 入山 室堂~雷鳥沢~真砂沢キャンプ場(BC) 

     7日 BC~雪上訓練~BC 

     8日 源次郎尾根 

     9日 八峰上半 

     10日 BC~内蔵助平~真砂岳~BC

    11日 BC~雪上訓練~BC 

     12日 BC~室堂 下山

 

8月6日 晴後曇 

室堂(9:20)~雷鳥沢ヒュッテ(10:05)~2400m(11:05)~2550m(12:10)~剱御前小舎(13:15)

~剱沢小屋(14:50)~2200m(16:05)~平蔵谷出合(17:15)~真砂沢ロッジ(18:30) 

バスで室堂に到着した。晴れていて気持ちの良い天気だ。近くには水場があり、水ポリに水を汲み、体操を行い早速出発する。最初は舗装された木道や石の階段を進んで行く。観光地なので所々に看板がある。それを横目に見ながら進んで行く。舗装路が続くが重荷なので長く感じる。ミクリガ池や地獄谷を過ぎていき雷鳥沢ヒュッテを通過する。称名川の木道を渡りそこで休憩を取った。川の水は澄んでいて水分補給を行った。この休憩を終えると本格的な登山道に入っていく。ここも登山客が多い。雷鳥坂は始めは緩やかな道が続くが石だらけで少し歩きづらい。気温も高く重荷のため歩みは遅い。山下が腹痛のためかペースが落ちるが何とか進んでいく。途中、山下の荷抜きを行いつつ、また坂を登っていく。2550m付近で休憩を取ってからはあともう少し。それぞれが自分のペースで登り、追い込みをかける。剱御前小舎に順々に到着し日陰で休憩をとる。ここからの景色は最高だ。剱御前小舎からは下りが始まる。最初はなだらかに進んで行き徐々に急になる。登り同様、下りづらい岩場が続く。しばらく進むと剱沢キャンプ場に到着した。ここには水場があり、テントがたくさん張られていた。ここで富山県警山岳警備隊の方から雪渓の情報を聞いた。長次郎谷の雪融けが例年よりかなり早く、慎重に行った方がいいとのことであった。水ポリに水を補給し、出発する。剱沢小屋を回り込むように通り過ぎていく。しばらく下っていくと左手に剱沢が出てきて沢沿いに進む。この登山道は1つ1つの石が大きく歩きにくい。途中ロープが張ってある場所もあり慎重に下る。しばらくすると雪渓が出てきた。剱沢も去年より雪渓がかなり少ない。雪渓に下りる前にスパッツ、ピッケルを取り出し、ガレた場所を下る。重荷のため慎重に下り雪渓に移る。この辺りの雪渓はしっかりしていた。順調に雪渓を下っていき、平蔵谷出合付近で休憩をとる。平蔵谷は事前情報通り、崩落で道が塞がっておりで通れる状況ではなかった。2000m付近の長次郎谷出合手前の雪渓で左岸側に亀裂が入っているところがあったため右岸側から慎重に下る。長次郎谷は雪融けが進んでおり例年のように雪渓を通って行くのは難しい様子であった。しばらく行くと黒いホースが見え、ピンクテープがあるところで夏道に入る。少し歩くとまた雪渓に下りた。そこから雪渓を少し歩き、夏道にまた戻る。雪渓と夏道の移動はピンクテープが数箇所貼ってありわかりやすくなっていた。夏道に戻ると小屋が近づいてくる。最後までしっかりと歩いていき真砂沢ロッジに到着した。石などをどかしてしっかり整地してからテントを張り、長い1日目の行動を終了した。

 

8月7日 曇り 17℃

BC(7:30)~長次郎出合(8:00)~2200m付近(10:00)~長次郎出合(11:30)~2000m雪上訓練開始(12:00)

~雪上訓練終了(14:40)~BC帰幕(15:30)

先日の夜から山下が体調を崩し、38度ほどの熱が出たため、テントキーパーとして神山が同伴してテントで待機させることとした。福島、大場、佐藤で雪上訓練、長次郎谷の偵察を行う予定で出発した。始めに長次郎谷の様子を見に行く。出合から少し進んだ場所で福島が先に様子を見に行き、1年生は待機となった。結果、最初の方の雪渓は崩れており通れる状態ではなかった。雪渓を渡らず、雪渓左岸側の雪渓と岩壁に挟まれた狭いガレ場を通れば先に進めそうであった。そのため1年生と合流し偵察を続行した。ガレ場にはトレースがあったためそれに沿うように進んで行く。細い道や砂の道があり滑りやすかったため注意しながら進む。しばらく進むと雪渓と岩壁に挟まれた狭い道を抜け、遠くまで見渡すことができた。しかし雪渓はつながっていない。左岸側のガレ場をつないでいけばもう少し進めそうであったためその道を進んで行く。急な道を落石に注意しながらトラバースしていくとピンクテープが見えた。ピンクテープを見ながら慎重に進み大岩を1段上がるとまた遠くまで見渡すことができた。直下にしっかりした雪渓がつながっていたが、しばらく行くと雪渓は崩れているようだった。雪渓に下り、しばらく進むと中央に大きなシュルンドが見えたため1年生を待機させ福島が様子を見に行った。右岸側を渡ったが、ところどころに小さな亀裂が見られるのみで今のところは問題ないようであった。雪渓のその奥は滝となっており進めない。そのため乗り移れそうな岩場がないか見まわし、その後、偵察を終了し長次郎谷出合に戻ることとした。来た道を慎重に戻り長次郎谷出合に着く。雪渓を登り雪上訓練に適した場所まで移動した後、雪上訓練を始める。始める際にこの日入山した西出OBと合流した。現在の状況を報告した後、山下の容態が安定していたため神山をトランシーバーで呼び、西出OBと神山で長次郎谷のさらに奥まで偵察に行くことした。1年生は福島の指導の下、雪上訓練を行った。雪上歩行、滑落停止、コンティニュアス、スタカットを急ぎ足で1通り行った。雪上訓練終了後、長次郎谷の偵察に赴いていた2人と合流し、全員でBCに帰幕した。

 

8月8日 15℃ 晴 

BC(4:35)~源次郎尾根取り付き(5:20)~2450m(7:00)~Ⅰ峰(9:00)~Ⅱ峰懸垂終了(10:15)

~2880m(11:00)~剱岳(11:20)~熊ノ岩(12:40)~BC(15:10) 

前日より山下の体調は良くなっているが、まだ頭痛や食欲不振があるのでテントキーパーとする。スパッツ、オーバー手袋を着けてBCを出発する。前日と同様の道を進む。日はまだ昇っておらず雪渓は少し硬い。順調に取り付きまで進みハーネス、ヘルメットを着けスパッツ等を外す。草道の中にある顕著なトレースを辿り最初のFix地点まで進む。リードは神山が行い大岩を乗越してハイマツで支点を取りながら50m近くロープを伸ばす。1年生はアッセンダーを使いながら苦戦しつつも上っていき、Fix終了後は急なハイマツ帯を登っていく。スタンスが細かい部分は注意しながら進む。ハイマツ帯が終わると木の幹がトレースに立ちはだかるようにあるため木登りする様な形で進んでいく。視界が開けると、2つ目のFix地点に着く。ここも神山がリードで行い40mほどロープを出し、続いて1年生が登った。岩が2枚連続しており残置ハーケンやハイマツで支点を取りながら進む。灌木で終了点を作り回収は西出OBが行った。終了点からはハイマツ交じりの岩稜を進んで行く。ところどころスタンスが細かく危険な場所があり上級生が1年生の下に付きながら進んだ。Ⅰ峰の手前は浮石が多いため落石に注意しながら進む。Ⅰ峰で休憩を取った後Ⅱ峰に向けて出発する。ところどころクライムダウンをしながらⅠ峰コルへと下っていく。Ⅱ峰へと登っていき少し進むと懸垂地点となる。ザイルダウンをしたが絡まってしまったため神山が先行し絡みを解きながら下りた。1年生を先におろし西出OBと先行してもらう。最後に福島が懸垂下降を終えたところで福島、神山でザイルをしまい先行パーティーを追う。ガレ場をしばらく歩くと大岩があり細かいスタンスを駆使して慎重に抜ける。稜線を巻いてガレた急登を進んで行くと頂上となる。頂上はガスっており何も見えなかった。記念写真を撮り小休憩の後BCへと向かう。長次郎谷のコルへ下りる際にクライムダウンを必要とする箇所や浮石が多くあったので慎重に進んだ。下りたところで長次郎谷左俣へと移る。ここからは雪渓はほとんどなく熊ノ岩へ向けてガレ場を下りていく。トレースは見当たらず、大小様々な岩のあるガレ場を進む。熊ノ岩で休憩を挟みスパッツ等を着ける。熊ノ岩からは雪渓が残っており駆け下る。しかし例年よりもかなり雪融けは進んでいるようだ。八ツ峰へのアプローチはここを歩くので周囲の様子をみながら進んで行く。2450m付近の滝で岩場に移る。ピンクテープに沿って濡れた岩場を進んで行く。途中で小さな川を石を足場にして渡る。岩場が終わり雪渓に移る箇所でクライムダウンをするのだが、岩が突き出ていてやや難しいため残置ハーケンにロープ通しロープを掴みながら下りていった。ここから雪渓に乗り移る際、付近に深いシュルンドが開いているため新たにハーケンを打ち懸垂下降で雪渓の中心部まで慎重に進んだ。また、ここから少し先の中心部におおきなクレバスが開いていたためスノーバーで支点を作り左岸側にFixを張った。全員が渡り終え、ロープを回収し雪渓を進んで行く。昨日よりもかなり雪融けが進んでおり一層歩きにくくなっていた。雪渓を下り落石や滑落に注意しながら長次郎谷出合まで岩場を進む。出合からは駆け下りを開始する。BCに到着し、高野OBと合流した。体操をしこの日の行動を終了した。 

 

8月9日 晴 12℃ 

BC(4:40)~長次郎谷(5:10)~Ⅴ・Ⅵのコル(7:40)~Ⅵ峰(9:00)~Ⅷ峰(11:00)~2300m(12:00) 

~2300m出発(15:00)~BC(16:00)

少し薄暗い中、日の出とともに出発する。夏道を通り過ぎ、雪渓を進んでいく。30分ほどで長次郎谷出合に到着した。前日と同様の道を進んで行くが雪が日に日に融けているようだった。ガレ場をトラバースしていきまた雪渓に下りる。前日ロープを張った場所に同様にロープを張り、慎重に1人ずつ進んで行く。前日は懸垂下降とFixで分けた場所を今回は雪渓から一気に岩場の上までロープを出した。神山が先行し1年生はアッセンダーを使って登り、回収は福島が行った。福島と神山でロープを回収している間にコーチと1年生で先行してもらう。水で濡れた岩場を進んで行き、また雪渓に出る。日が出てきて眩しいがⅤ・Ⅵのコルまでもう少しであったため日陰を利用しながら進んで行く。Ⅴ・Ⅵのコル直下の雪渓で休憩をとり、ピッケル等をしまい草道をトレースに沿って進んで行く。急登を登り切りⅤ・Ⅵのコルに着く。ここからⅥ峰への登りとなる。見た目は難しそうだが実際に登るとホールド、スタンス共に豊富で登りやすい。途中、スタンスが細かい場所があったため20mほどロープを出す。ロープを回収し草と岩のミックスをしばらく進むとだんだん道が緩やかになりⅥ峰の懸垂支点に到着した。先におりた神山、山下、福島で全員の懸垂終了を待たず先行していく。クレオパトラニードルへの明瞭なトレースからⅦ峰への薄っすら残るトレースへ登り進んで行く。Ⅶ峰を超えると肩幅ほどの石の門のような隙間がある。石の門を通ると大岩を乗越す場所があり慎重に進んで行く。少し進むと懸垂支点に着く。一度下り、登り返したところの20mほどで懸垂下降を終了する。その後また20m程の懸垂下降を行い八ツ峰ノ頭直下に下り立つ。時間と天気を鑑み、八ツ峰ノ頭へは行かず帰幕することとした。池ノ谷乗越方向へ進むと懸垂支点があったがロープがなくても進めると判断し、そのまま進んで行く。岩で埋め尽くされた沢におりたち、落石に注意しながら下って行く。ガスの中を小雨に打たれながら進むと右手に雪渓が見え雪渓手前で雨具を着て休憩をとった。休憩の後、雪渓をガンガン進み、ガスが晴れると小雨も止んだ。駆け下りを行うのに調度良い雪質であった。2450m付近の岩場に乗り移る手前からは慎重に下って行き、雪渓から移る手前で雨具を脱いだ。岩場からピンクテープを見ながら下って行く。行きと同様、濡れた岩場を進み、雪渓に移る場所に着く。今回は50mで懸垂下降を行い雪渓の中央を終了点とした。神山が先行し雪渓に着いた時点で下りのFixを張る。雪渓には中央にクレバスが走っているため、行き同様に左岸側を通りそこにFixを張った。神山にはFix終了点で待ってもらった。西出OB、1年生が下りてきた時点で西出OBを先頭に神山の方へと下ってもらった。ロープは高野OBが回収した。西出OB達が下っている途中、大きな音と共に雪渓が一部崩れ神山が巻き込まれ雪渓と一緒に落下した。神山はロープにぶら下がる形となったが、ギリギリ足がつく状態であった。大きな怪我はなくロープにぶら下がっている状態であった。雪渓の左岸側は亀裂が広がり、雪が割れるような音もしていたため、Fix開始地点まで戻ることとした。また、西出OBのいる地点から雪渓中央のクレバスが見え、右岸側の雪渓は渡れそうであるとの情報を得た。西出OBが神山との連絡のため雪渓の途中に残り1年生はFix開始地点まで戻った。西出OBが神山と大声で情報交換をする間、高野OBが懸垂下降を終了し、神山の支点にスノーバーをもう1本打ち込んだ。高野OBはその後1/3システムで神山を引き上げようとしたが上手くいなかったため右岸側から神山の近くまで行くこととした。その後神山がトランシーバーを持っていることを思い出したため西出OBもFix開始地点まで戻った。西出OBと高野OBがFix開始地点に着き神山とトランシーバーで更新しながら、下部へ行く作業を進める。高野OBが先行し右岸側から神山の方へと80m程のFixを張った。高野OBが終了点で神山のもとへ行く準備をしている中、福島を先頭に1年生も雪渓右岸側を渡り下部へと下りた。西出OBが最後にロープを回収した。途中福留OBからBCのトランシーバーで連絡があり現場の状況を伝えた後、交信を都度行いながら作業を続けた。その後高野OBが先頭、西出OBがビレイヤーで神山のもとへ向かった。雪渓の際も地面までしっかりつながっているようで高野OBは地面におりた。神山のもとへ向かいロープを外そうとしたがロープが雪渓に潰されていたためロープは切断した。高野OBにつながっているロープを神山に1本渡し、もと来た道を戻る。雪渓へと登り、高野OB、神山は皆と同じ雪渓の中央付近へと戻った。最後に西出OBと神山がつながっていたロープ、スノーバー、ピッケルを回収し作業は終了した。終了後、再び雪渓を下って行く。行きと同様、雪渓からガレ場へ移り雪渓と岩壁で挟まれた狭いガレ場を詰めていく。初日に比べると雪渓の融け具合が目に見えて分かった。長次郎谷出合に着き、そこから駆け下り、一気にBCまで下った。BCでは福留OBがおり、福留OBからのスイカの差し入れ等、この日は様々な差し入れで豪勢な晩飯に舌鼓を打った。

 

8月10日 晴 12℃ 

BC(4:40)~ハシゴ谷乗越(5:45)~内蔵助平(6:45)~2000m(7:55)~2630m(9:15)~真砂岳(10:25)

~別山(11:10)~剱沢キャンプ場(11:40)~BC(12:50) 

長治郎谷の雪渓が崩落し、危険であるためⅥ峰フェースの登攀は行わずに、内蔵助平から真砂岳を目指しBCへ戻るという行程に変更した。長時間の行動が予想されたため、早めの行動開始とした。出発時、あたりは暗くラテルネをつけて行動を開始する。内蔵助平方面へ鬱蒼とした森を進む。しばらく行くと開けた場所に出て真砂沢が見えた。真砂沢にかかる橋を渡ると急登が始まる。蒸し暑い中テープに沿って急登を進むと木で組まれたはしごがあり、それを使いながら登っていく。三個所ほど梯子があり慎重に進んだ。BCから1時間ほどで分岐を示す看板が見え、ハシゴ谷乗越に着く。ハシゴ谷乗越でラテルネを外し休憩の後下り始める。その後平坦で砂と大岩が混じる道を進み、途中でマークを目印に大きく右に曲がりまた進むと黒部ダムの分岐に出た。付近の川で水を汲み休憩を挟んだ後、真砂岳方向へ道と言えないような草木が鬱蒼とした道を登っていく。日の光が強く道も分かりづらいため体力が奪われていく。背の高さほどもある草をかき分けていくとだんだん道が明瞭になってきた。踏み跡や岩に書かれた目印を頼りに進んで行く。途中の沢で雪渓が崩れていたため、ピッケルを出し装備を濡らさないように慎重に岩の上を渡り歩く。ところどころ残地してあるロープを使いながら急登を進んで行く。2700m付近から見晴らしが良くなり、緩やかな道を進む。途中で雪渓が出てきたがほとんど平坦でありそのまま進んで行く。ザレた道の一般道を進むと内蔵助山荘に着く。ここから少し登ると真砂岳に到着する。天気が良く富山湾などを一望できた。ここで、高野さんと西出さんが下山された。休憩の後、見晴らしの良い稜線を快調に進み別山も一息で登り切る。荷物が軽く足が軽快に動く。それ以降大きな登りは無く下り道を進み、剱沢キャンプ場に到着し水を汲む。真砂沢ロッジを目指して見知った道を進んだ。予定よりも早くBCへ到着し本日の行動を終了した。この日はココアとプリンを作り食べた後、晩飯まで各々体を休養させた。 

 

8月11日 晴 11℃ 

BC(5:30)~2100m雪上歩行訓練(6:10)~滑落停止訓練(7:30)~コンティニュアス(9:30)~スタカット(10:30)

~雪上訓練終了(11:30)~BC(12:00)

スパッツ、オーバー手袋を着け体操を行い出発した。夏道を通っていき、雪渓に移る際ピッケルを取り出す。雪渓は堅く急なところは慎重に進む。特に長次郎谷出合後の大きな岩の横は滑りやすく歩きづらい。そこを超えて、剱沢雪渓上部の2100m付近の急登で雪上訓練を行った。最初は歩行の訓練を行う。1年生と上級性、福留OBがペアになり直上から順番に行う。アドバイスを受けながらそれぞれが課題を見つけて練習を行った。最後は苦手な部分を練習して歩行訓練を終了した。雨具を着て少し休憩をとり、滑落停止訓練に移る。雪面はだいぶ硬い。回転を速くし、脇を閉め、ピックを垂直に刺すと止まりやすい。1回1回アドバイスを受けながら訓練していく。全員がしっかりと停止することが出来たので滑落停止訓練を終了した。次はコンティニュアスの練習行う。これも1年と上級生、福留OBがペアで行った。下級生をメインに滑落した者を止めていき、さらに負荷をかけて止まったことを確認する。しっかりと踏み込まないと止まらない。次はスタカットの練習を行う。雪渓が硬くピッケルがあまり埋まらなかったのでスリングをガースヒッチで固定し、セルフをとった。スノーバーも埋まらない場合はスリングを利用してビレイを行った。一連の流れを素早く、丁寧にできるようにしながらしっかり止まることを確認した。こうして雪上訓練を終了した。少し休憩を取った後1年と福留OBは先にBCまで駆け下った。上級生2人は明日の下山のことを考慮し剱沢上部の雪渓の状況の偵察にいった。駆け下っている途中、足をくじく者もいたが無事BCに到着した。上級生の帰りを待つ間、洗い物やお茶の準備を済ませた。上級生が帰ってくると全員で体操を行った。ここで福留OBが下山された。時間があり天気も良かったため、明日の下山に備え英気を養った。

 

8月12日 晴

BC(5:30)~2200m(6:50)~剱沢キャンプ場(8:40)

~剱御前小舎(9:50)~雷鳥沢キャンプ場(11:00)~室堂(12:10)

 

入山の際と同様の道を進む。夏道を進みしばらくすると雪渓に合流し登っていく。雪渓は少し硬かったが、長次郎谷出合を超え平蔵谷出合も休憩を入れず超えていく。雪渓上部の崩落を危惧し入山時に渡った場所より少し手前から夏道に移った。夏道はガレているため注意しながら歩いた。トラバースを終え剱沢キャンプ場へ登っていく。剱沢キャンプ場を通り過ぎ、剱御前小舎へと緩いガレた道を上っていく。剱御前小舎からは雷鳥坂の急な下りとなるため慎重に下る。下り終えた場所で休憩をとる。雷鳥沢キャンプ場からは舗装された道を進み、ラストスパートで走って室堂バスターミナルに到着する。体操を終えた後、合宿を終了した。


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東京農業大学 常盤松会館本館3F 農友会山岳部